フレームワーク 【framework】

概要

フレームワーク(framework)とは、枠組み、骨組み、骨格、下部構造、構造、組織などの意味を持つ英単語。ITの分野では、問題に取り組むための概念や方法を体系化した枠組みのことや、ソフトウェア開発の土台となるプログラム部品などを指すことが多い。「FW」「F/W」などの略号で示されることもある。

ソフトウェアフレームワーク

ソフトウェア開発の分野では、ある領域のソフトウェアに必要とされる汎用的な機能や基本的な制御構造をまとめた半完成品のことを「ソフトウェアフレームワーク」「アプリケーションフレームワーク」などと呼び、これを略してフレームワークと呼ぶことが多い。

具体的なプログラムコード設定ファイルなどのセットだけでなく、汎用的に適用できるプログラム設計モデルや典型的な処理パターンなどを含めてフレームワークと呼ぶ場合もある。

フレームワークは特定のプログラミング言語で書かれた、そのまま利用できるソフトウェアの主要部分の雛形テンプレート)と、汎用的で再利用可能クラスライブラリモジュールAPIなどで構成される。開発者がコードを記述して機能を追加、拡張するための方法や規約などが定められている。

開発者は規約に従ってフレームワークの一部を改変したり、自らの必要とする機能や処理を記述して追加することで、主要部分の設計・記述を省略して迅速にソフトウェアを完成させることができる。

制御の反転 (IoC:Inversion of Control)

汎用的で再利用可能コードをまとめたものであるという意味ではライブラリモジュールに似ているが、ライブラリでは全体を制御するコードを開発者が記述し、ライブラリの提供する個別の機能を呼び出す形となる。

一方、フレームワークは全体を制御するのはフレームワーク側のコードで、そこから開発者が個別に追加した機能を呼び出す形となる。このように制御-被制御の関係が反転している状態のことを「制御の逆転」(IoCInversion of Control)という。

ビジネスフレームワーク

一般のビジネス分野では、様々な対象や分野に共通して用いることのできる、思考や分析、意思決定、問題解決、戦略立案などの手法や枠組みのことを「ビジネスフレームワーク」と呼び、これを略してフレームワークということが多い。

(2020.7.14更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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