実装 【implement】 implementation
概要
実装(implement)とは、ある機能や技術などを、その仕様や規格、設計などに基づいて、実際に機能する実物として開発したり組み込んだりすること。また、実現された具体的な制作物のこと。英語では “implement” (インプリメント/動詞形)あるいは “implementation” (インプリメンテーション/名詞形)という。ある特定の機能や仕様、処理方式、計算手順(アルゴリズム)、通信規約(プロトコル)などを、実際に動作させることができる論理回路やプログラムコードなどの形に作り込むことを指す。そのような作業を経て実現されたソフトウェアやハードウェアなど自体のことを実装と呼ぶことも多い。
仕様や設計などを元に実装を行う場合、具体的な動作の詳細や例外的な状況への対処などは定義しきれていない場合もあり、開発者によって異なる処理が行われる場合がある。このように実装によって細部が異なることを「実装依存」(implementation dependent)という。
実装依存要素の相違により互換性や接続性、相互運用性が損なわれるのを防ぐため、元の技術の開発元などが参考として標準的な実装例を対応製品の開発者などに提供することがあり、これを「参照実装」(reference implementation)という。実装依存部分をこれに揃えて開発することにより、実装間の差異を最小限に抑えることができる。
半導体の分野では、半導体素子やICチップなどを電子基板などに装着・固定し、端子や配線を接続して動作可能な状態にすることを実装ということもある。こちらの意味での英語の対訳は “mount” (マウント)となる。
(2021.11.29更新)