Webアクセシビリティ 【web accesibility】
概要
Webアクセシビリティ(web accesibility)とは、WebサイトやWebページ、Webシステム(WebアプリケーションやWebサービス)などが、どんな人や利用環境でもなるべく同じように閲覧や操作が可能な状態のこと。また、その度合い。コンピュータの機種や入出力機器、ソフトウェアの違いや、子どもや高齢者、障害者といった身体的特性の違いによらず、なるべく多くの人がサイト内の情報を見つけ出し、Webページを開いて内容のすべてに触れることができる状態のことを意味する。
例えば、特定の画面サイズや操作法に依存しないレイアウトやメニュー構成にしたり、漢字やアルファベット、外来語にふりがなや言い換えを併記したり、文字サイズや配色を簡単に変更できるようにするといった対応が必要になる。
また、読み上げソフト(スクリーンリーダー/音声ブラウザ)で音声に変換しても意味が通じるよう、文字情報だけで内容が把握できるようにしたり、画像や動画、音声に内容を説明する代替テキスト(alt属性)を付与したり、すべての要素をキーボード操作で指定できるようにしたりといった配慮も必要になる。
Web技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)は作業部会WAI(Web Accessibility Initiative)を設置して「WCAG」(Web Content Accessibility Guidelines)と呼ばれるガイドラインを発行し、Web制作者・開発者へ対応を促している。1999年に初版(WCAG 1.0)が発行され、2008年に改訂(WCAG 2.0)された。
また、日本工業規格(JIS)にはWebアクセシビリティの国内標準として2004年に「JIS X 8341-3」が策定され、2010年(JIS X 8341-3:2010)と2016年(同:2016)に改訂された。これは一般に「ウェブコンテンツJIS」と通称され、国や自治体ではWebサイトを制作する際の調達要件としてこの標準への準拠を求めている。
(2022.7.17更新)