DTO 【Data Transfer Object】

概要

DTO(Data Transfer Object)とは、著名なデザインパターンの一つで、関連するデータを一つにまとめ、データの格納・読み出しのためのメソッドを定義したオブジェクトのこと。異なるプログラム間やコンピュータ間でひとまとまりのデータを受け渡す際に用いられる。

デザインパターン設計パターン)とはソフトウェアの設計時に直面しがちな問題とその典型的な解決策を整理し、様々な場面で応用・再利用できる形にまとめたものである。DTOはオブジェクト指向プログラミングにおける典型的なパターンの一つで、システム間のデータ転送などに用いられる。

DTOはデータの集合とその読み書き手段のみからなるシンプルなオブジェクトで、そのデータを利用してわれる具体的な処理(ビジネスロジックなど)は含まない。同じプログラミング言語実行環境などで動作するプログラム間で、データを効率よく、かつ、互いに利用しやすい形式で受け渡す手段としてよく用いられる。

特に、ネットワークを介して異なるコンピュータ間でデータを要求したり提供する際に、個々のデータをばらばらに受け渡すよりもDTOの形でまとめて転送する方が伝送効率がよく、データの要求や取得に関連するコードもシンプルに記述しやすくなる。

また、オブジェクトの形にまとめることで、データの提供側で生じたエラーを受信側に通知するといった、データのみの受け渡しでは処理が煩雑になったり実現が難しい機能も比較的容易に実装することができる。

(2023.4.15更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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