ユーザーエージェント 【User-Agent】 UA / HTTP_USER_AGENT

概要

ユーザーエージェント(User-Agent)とは、Webブラウザなど、利用者が操作して外部と通信するためのシステムのこと。また、その種類や製品、バージョンなどを表す識別名

一般に、利用者user)の代理(agent)として何らかの処理や通信う機器やソフトウェアをユーザーエージェントという。特に、ネットワーク上で外部と通信するクライアントソフトなどを、サーバ側から見てこのように呼ぶことが多い。

単にユーザーエージェントという場合は、WebにおけるWebブラウザWebクローラーなどのクライアントソフトを指すことが多い。利用者の指示を受けて、あるいはプログラムにより自律的にWebサーバアクセスし、ファイルの取得や内容の画面表示、利用者の操作の受け付けなどをう。

HTTPのUser-Agentヘッダ (HTTP_USER_AGENT)

Webコンテンツの伝送に用いるHTTPHypertext Transfer Protocol)では、クライアントからのリクエスト送信時に、HTTPリクエストヘッダ内の「User-Agent」フィールドソフトウェアの名前やバージョン番号などの情報を記載することができる。

分野や文脈によっては、この識別文字列を指してユーザーエージェントと呼ぶことがある。サーバソフトウェアHTTP環境変数では「HTTP_USER_AGENT」に格納される。プログラムから参照して、ブラウザクローラーの判別、ブラウザの種類の判別、動作環境プラットフォーム)の判別などに用いられる。

Webブラウザは自身の名前やバージョンを含む固有のUser-Agentを持つが、このクライアント側で任意に設定できるため、いい加減な内容を設定する開発者や、他のソフトウェアと同じ文字列を設定してそのソフトに偽装する開発者もいる。

User-Agent文字列は、例えば「Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; Win64; x64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/72.0.3626.121 Safari/537.36」といった内容になっている。これはGoogle Chromeバージョン72のものだが、動作環境64ビットx86プロセッサ向けWindows 10である(Windows NT 10.0; Win64; x64)といった記述も含まれる。

また、特定のWebブラウザの特定のバージョン以上でのアクセスを要求するWebサイトサービスが多く作られてきた歴史的な事情から、旧Netscape Navigator 4.0の後継であることを示す「Mozilla/5.0」や、米アップルApple)社のWebブラウザ互換性があることを示す「Safari/537.36」といった他のブラウザのUser-Agentの一部を付け加えている慣習がある。

(2024.3.6更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる