コード補完 【code completion】

概要

コード補完(code completion)とは、プログラムを記述するコードエディタの機能の一つで、現在記述しているプログラミング言語の仕様などに基づいて、キーワードやシンボル名などを補完候補として表示し、選択できるようにするもの。開発者のソースコード記述を支援する。

利用者キーボードで文字を入力し始めると、その文字の並びで始まる入力候補のリストを表示する。方向キー操作などで一つを選択して決定すると、表示された単語やフレーズが入力される。選択せずに文字を入力し続けることで、候補の内容が絞られていき動的に候補リストが変化する。

言語仕様や標準ライブラリなどに含まれるキーワードを単純に提示するものが多いが、現在のプログラムで宣言済みの変数名や定数名など取り込んで提示したり、オブジェクトインスタンス名を入力するとそのクラス定義から推測されるメソッド名やプロパティ名を自動的に抽出して表示するといった高度な補完機能を実装したものもある。

Visual StudioIntelliSenseのように統合開発環境IDE)に組み込まれたコードエディタで提供されることが多いが、単体のテキストエディタなどでも実装例がある。特定の言語や環境におけるコード補完を提供する「言語サーバ」(language server)という仕組みもあり、コードエディタとLSPLanguage Server Protocol)という通信規約プロトコル)で問い合わせを受け付けて補完候補を返答する。

(2023.10.29更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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