lint 【linter】
概要
lint(linter)とは、コンピュータプログラムなどのソースコードを読み込んで内容を分析し、問題点を指摘してくれる静的解析ツール。また、そのようなツールで解析を行うこと。ツールを指す場合は “linter” (リンター)と呼ぶこともある。人間がプログラミング言語で書いたソースコードはコンパイラなどによって機械語などのコードに変換されるが、コンパイラなどの言語処理系は主に言語仕様や構文規則などに違反する誤りがある場合にエラーを返す。一方、lintは文法上の誤りだけでなくバグの原因となり得る疑わしい記述を調べて警告してくれる。
例えば、変数宣言のあとに一度も参照されていない変数や、変数の初期化前に内容を参照しているコードなどは言語によっては規則に違反する記述とは言えないが、そのまま放置すれば実行時エラーとなったり何らかの問題を引き起こす可能性がある。
lintはこのような潜在的に問題の原因となり得る記述を一定の規則に従って検出し、警告を発する。lintが警告したからと言ってただちに修正が必要とは限らず、何らかの事情や必要から開発者があえてそのように記述している箇所が形式的に問題と判定される場合もある。問題発見を効率化するために補助的に用いるツールと言える。
オリジナルのlintは主にUNIX系OSで用いられるC言語の静的解析ツールで、1978年に初版が開発された。他のプログラミング言語やマークアップ言語などでも、文法チェックや形式的な問題点を指摘するツールのことをlintと呼ぶようになり、現在では総称や一般名のように用いられている。例えば、HTML文書のチェックを行う「HTML-lint」、ECMAScript(JavaScriptの標準規格)のチェックを行う「ESLint」などがよく知られている。
(2020.11.9更新)