読み方 : アイピーフォワーディング
IPフォワーディング【IP forwarding】IPフォワード
概要

IPデータグラムが機器に到着すると、宛先IPアドレスを参照し、自身宛てでなければ適切な送信先へ転送する。この転送先の決定には「ルーティングテーブル」(経路表)が用いられる。経路を選択する処理を「ルーティング」(routing)、実際にデータグラムを送り出す処理を「IPフォワーディング」と呼び、ルータはこの両者を組み合わせることで複数ネットワーク間の中継を成立させている。
IPフォワーディングを行う際、一定の条件を満たすIPデータグラムのみを通過させ、それ以外を遮断することがある。送信元や宛先のIPアドレス、プロトコル、ポート番号などを基準に通過の可否を判断するこの仕組みを「パケットフィルタリング」といい、ファイアウォール機能の基礎となっている。
プロキシサーバもネットワーク境界でデータグラムを相互に転送しており、広義のIPフォワーディングを行っていると見なせる。また、ネットワークアドレス変換(NAT:Network Address Translation)と組み合わせて利用されることも多く、家庭用ブロードバンドルータなどでは家庭内LANと外部ネットワークの間でIPフォワーディングとNATが連携して動作している。近年のネットワーク機器では、IPv4だけでなくIPv6に対しても同等の転送機能が実装されている。
汎用のオペレーティングシステム(OS)を搭載したコンピュータでも、複数のネットワークインターフェースを備えてIPフォワーディングを有効化すれば、ルータとして動作させることができる。LinuxやBSD系OSでは標準機能として提供されており、カーネルパラメータの変更で有効・無効を切り替えられる。余剰機材の再活用や検証環境の構築といった用途で利用されることがある。
(2026.6.12更新)