トランスパイラ 【transpiler】 トランスコンパイラ / transcompiler

概要

トランスパイラ(transpiler)とは、あるプログラミング言語で書かれたプログラムを、別のプログラミング言語のプログラムに変換するソフトウェア。「トランスレータ」(translater)と「コンパイラ」(compiler)を組み合わせた造語。

人間が理解しやすい高水準プログラミング言語で書かれたソースコードはそのままではコンピュータが解釈・実行することができないため、通常はコンパイラcompiler)などで機械語やそれに近い低水準言語仮想マシンバイトコードなど)のオブジェクトコードに変換されて実行される。

一方、トランスパイラは機械語などへの変換は行わず、ソースコードを解析して別の高水準言語ソースコードへ変換する。この変換工程を「トランスパイル」(transpile)という。変換後のコードは変換後の言語の処理系コンパイラインタプリタなど)によりオブジェクトコードへの変換や実行が行われる。

トランスパイラは変換元と変換先の言語が決まっており、まったく別の言語のコードへ変換するものや、同じ言語の古いバージョンのコードから新しいバージョンのコードへ変換するもの、派生言語から元になった言語へ変換するものなどがある。

プログラミング言語の中には標準の処理系コンパイラインタプリタではなくトランスパイラとなっており、別の言語へ変換してから実行することを前提としているものもある。有名な例はJavaScript派生言語のTypeScriptで、通常はトランスパイラによりJavaScriptコードに変換されてから実行される。

(2023.10.23更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。