逆アセンブラ 【disassembler】 ディスアセンブラ
概要
逆アセンブラ(disassembler)とは、機械語などで書かれてコンピュータプログラム(オブジェクトコード)を、人間が理解しやすいアセンブリ言語による表記(ソースコード)に変換するソフトウェア。そのような処理のことを「逆アセンブル」(disassemble:ディスアセンブル)という。通常、コンピュータプログラムは人間の読み書きしやすいプログラミング言語によって記述されるが、そのままではコンピュータ(マイクロプロセッサ)が実行できないため、コンパイラ(高級言語の場合)やアセンブラ(低級言語の場合)などのソフトウェアによって機械語による記述に変換し、実行可能なプログラムとする。
逆アセンブラはこの逆変換を行うためのソフトウェアで、機械語(やそれに準じる仮想機械のバイトコードなど)で記述されたコンピュータ向けのプログラムを解釈して、アセンブリ言語のソースコードに変換する。
原則として機械語とアセンブリ言語の命令は一対一に対応するため、命令の流れなどがかなり元に近い状態で復元することができるが、実行時に必要ない変数名などのシンボル名は機械語への変換時にほとんど取り除かれてしまうため、完全に元のソースコードと同一のものを得ることができるわけではない。ソースコード上の冗長な記述を最適化して短縮した場合なども、人間が書いた元の記述がどうであったか知ることはできない。
逆アセンブラは一般的なソフトウェア開発で用いることは稀だが、あるソフトウェアの開発元が実行可能形式のプログラムしか提供しておらず、ソースコードを直接入手することができない場合などに、元のプログラムがどのように記述されているか知る手掛かりを得る「リバースエンジニアリング」などのために用いられることがある。
これに対し、人間が記述しやすい高水準プログラミング言語で開発されたプログラムから生成された機械語のコードを、元の高水準言語のソースコードへ変換することは「逆コンパイル」(decompile:デコンパイル)と呼ばれ、そのような処理を行うソフトウェアを「逆コンパイラ」(decompiler:デコンパイラ)という。
(2024.6.7更新)