OpenLDAP 【slapd】
概要
OpenLDAP(slapd)とは、ディレクトリサービスへアクセスするためのプロトコル(通信規約)であるLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)の機能を実装したソフトウェア。オープンソースソフトウェアとして公開されている。LDAPサーバの実装(デーモン)である「slapd」、LDAPをソフトウェアに実装するためのライブラリ、様々な操作や設定を行うためのクライアントソフトで構成される。ライブラリを用いてソフトウェアにLDAPクライアント機能を追加できるほか、slapdの動作を改変して独自のLDAPサーバを構成できる。
slapd(Standalone LDAP Daemon)はモジュラー型の構造となっており、LDAP自体の処理を司る「フロントエンド」、データの保存や管理を行う「バックエンド」、両者の通信に介入して処理や動作を追加する「オーバーレイ」で構成される。
バックエンドはデータベースの種類などに応じて様々な種類が用意されており、他のLDAPサーバへの転送(プロキシ)や、特定のプログラムの呼び出しを行う特殊な機能を選択することもできる。オーバーレイはサーバに機能を追加する仕組みで、ログ採取などの基本的な機能は標準で添付されるほか、開発者が独自のオーバーレイを開発して追加することができる。
1996年にLDAP実装の事実上の標準であったミシガン大学のLDAP参照実装の開発が終了したことを受け、そのクローンとして1998年に有志の開発者グループがOpenLDAPを開発した。Linuxをはじめとする各種UNIX系OS、Windows、macOS、z/OSなどに対応している。MITライセンスに近い独自のOpenLDAP Public Licenseに基づいてオープンソースソフトウェアとして公開されている。
(2021.8.17更新)