デバッグビルド 【debug build】

概要

デバッグビルド（debug build）とは、ソフトウェア開発でソースコードを実行ファイルにビルドする際、デバッグに適した形式にすること。開発時に行われ、デバッグを効率的に進めることができる。

「ビルド」（build）はプログラミングで行われる工程の一つで、開発者がプログラミング言語で記述したソースコードをコンピュータが実行可能な機械語のオブジェクトコードに変換（コンパイル）し、起動用プログラムなどを連結（リンク）して実行可能形式のファイルを生成する操作である。

言語や開発ツールによってはビルドの仕方を「デバッグビルド」と「リリースビルド」から選択できる場合がある。デバッグビルドは機械語への変換時にコードの最適化などを行わず、なるべく機械語のコードとソースコードの対応箇所が分かりやすいように変換する。また、変数名などソースコードの様々な情報を実行ファイルに埋め込む。

デバッグビルドで生成された実行ファイルは、実行時にデバッガなどのツールを用いて実行状態を詳しく調べることができ、ソースコードのどの箇所を実行しているのか、どの変数の内容がどんな状態なのかといった情報を得ることができる。プログラムのテストおよび不具合の修正作業（デバッグ）を効率的に進めることができる。

一方、リリースビルドは最適化により効率的な機械語コードに変換し、実行時に必ずしも必要ないソースコードの情報は削除する。デバッグビルドより効率的でコンパクトな実行ファイルを生成する。デバッグが終わり、実際の利用環境に投入する実行ファイルを作成する際にはこちらが選択される。

(2024.7.2更新)
この記事の著者 ： (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
ホーム画面への追加方法
1.ブラウザの 共有ボタンのアイコン 共有ボタンをタップ
2.メニューの「ホーム画面に追加」をタップ
閉じる