フォーマッター 【formatter】
概要
フォーマッター(formatter)とは、整形や区画付けといった意味を持つ「フォーマット」(format)操作を行うためのソフトウェアや機能などのこと。具体的な処理の内容は分野や対象によって異なる。コードフォーマッター
コンピュータプログラムの開発ツールの一種で、開発者がプログラミング言語で記述したソースコードを、一定のルールに従って整形してくれるものをフォーマッターという。
同じ動作を行うプログラムでも、行頭にどのくらいスペースを空けるかなど、書き方には無数のバリエーションがあり、人によって好みの書き方が異なることも多い。フォーマッターはコードの書き方に一定の決まり(コーディング規約)を設け、これに従ってコードの意味を変えずに書式を調整する。
言語により規約の内容は異なるが、例えば一行の最大文字数や、コードブロックの字下げ(インデント)の文字数、ブロックの開始や終了と改行の対応関係、字句や記号、要素の間に挿入するスペースの有無などについてルールを定めることが多い。
近年ではプログラミング言語の側で標準のコード規約が整えられ、標準の開発ツールとしてフォーマッターが提供されることも多い。開発者個人や開発チームが独自に規約を定義し、これに従って整形させることもできる。単体のツールとして提供されるほかに、統合開発環境(IDE)やコードエディタの機能の一部として提供されることも多い。
ディスクフォーマッター
ストレージ装置の記憶媒体(メディア)の初期化を行うソフトウェアをフォーマッターという。現代の一般的なオペレーティングシステム(OS)は標準でフォーマッター機能を内蔵しているため、これを用いることが多い。ハードディスクやSSD、USBメモリ、SDメモリーカードなどは製造直後にはデータを記録可能な状態にはなっておらず、記憶領域を一定の大きさの区画に整理し、パーティションやファイルシステムを形成するフォーマット処理を行う必要がある。
この作業を行うのがフォーマッターの役割で、通常は装置の接続時にOSの案内に従って行われる。装置メーカーが自社の機器をフォーマットできるように提供しているフォーマッターもある。初回使用時だけでなく、ディスクを初期化して再利用したい場合にも用いられる。
ちなみに、USBメモリやSDメモリーカードなどの可搬型のメディアの場合は、出荷時に一般的に使用されるexFATなどのファイルシステムに初期化してから提供されることが多いため、初回使用時にも利用者が明示的にフォーマット操作を行わなくてよいことが多い。