PAM【Pulse Amplitude Modulation】パルス振幅変調
概要

PAMでは、時系列に並んだ各パルスの振幅を変化させることで情報を伝送する。パルス変調にはパルスの幅を変化させる「PWM」(Pulse Width Modulation)や、発生位置を変化させる「PPM」(Pulse Position Modulation)もあるが、PAMは振幅のみを変化させる。
伝送する信号がアナログの場合、一定間隔でサンプリングした元の信号の値に比例した高さのパルスを連続して並べる。受信側はパルスの頂点を結ぶことで、元の滑らかな波形を復元できる。
デジタル信号を伝送する場合は、振幅に複数の段階(レベル)を設け、1つのパルスに複数のビットを割り当てる多値変調を行う。例えば、振幅を4段階で識別できれば「PAM4」と呼ばれ、1パルスで2ビット(2の2乗=4通り)のデータを伝送できる。8段階の「PAM8」であれば3ビット(2の3乗=8通り)を伝送できる。振幅レベルを増やすほど一度に運べる情報量は多くなるが、各レベル間の差が小さくなるため雑音や信号劣化の影響を受けやすくなる。実用上は誤り訂正符号などの信号処理技術と組み合わせて利用されることが多い。
応用分野は信号の種類によって異なる。アナログ信号としてのPAMは、半導体で制御するインバータなどの電源回路において、出力電圧や電流の大きさをパルスの振幅で調整する電力制御の手段として用いられている。アナログ信号をデジタルデータに変換するPCM(Pulse Code Modulation)の処理過程の一部としても用いられ、アナログ信号を一定間隔で標本化した後、各標本の振幅をPAM信号として表し、それを量子化・符号化してデジタルデータに変換する。
一方、デジタル信号としてのPAMは、コンピュータネットワークの通信規格に応用されている。有線LANのイーサネット(Ethernet)規格では1000BASE-Tで5段階の振幅を用いる「PAM5」方式が採用されているほか、近年の超高速なネットワーク規格や高速バス規格のPCI Express、データセンター向けの高速通信機器などではPAM4を用いることがある。