リポジトリ 【repository】 レポジトリ
概要
リポジトリ(repository)とは、容器、貯蔵庫、倉庫、集積所、宝庫などの意味を持つ英単語。外来語としては、学術機関の「機関リポジトリ」のように、様々な情報、文書などを体系立てて保管・蓄積するデータベースなどを指すことが多い。IT分野では、ソフトウェア開発などに用いるバージョン管理システムやプロジェクト管理システムなどで、プロジェクトを構成するプログラムのソースコードやドキュメント、関連する各種のデータやファイルなどを一元的に管理する格納場所のことをリポジトリという。
特に、データそのものに加えて、版数(バージョン番号)や最終更新日時、更新履歴など「データについてのデータ」(メタデータ)を記録・管理し、複数人が共同で編集作業を行ってもデータを矛盾なく管理・共有できる仕組みを備えたシステムや保管場所のことを指すことが多い。
リポジトリを用いてデータを管理することで、同じデータの過去の特定時点の版を取り寄せたり、最新版と以前の版の違い(差分)を求めたり、新しい版を破棄して過去の版に差し戻すといった操作が容易になる。多人数での共同のプログラミングなどでは必須の管理方式となっている。
バージョン管理システムとリポジトリ
バージョン管理システム(VCS)の場合、CVSやSubversionなどの集中型システムでは単一の「中央リポジトリ」(central repository)に各利用者が接続して操作するが、GitやMercurialなどの分散型システムでは中央リポジトリの内容を各利用者の手元に複製した「ローカルリポジトリ」(local repository)に対して操作を行う。
オープンソースソフトウェアの開発に用いられるリポジトリなど、誰でも自由にアクセスできるようインターネット上で公開されているリポジトリを「パブリックリポジトリ」(public repository)、企業内のシステム開発など関係者のみがアクセス可能なものを「プライベートリポジトリ」(private repository)という。ネット上にはVCSの中央リポジトリの運用環境を貸与するGitHubなどのホスティングサービスもある。
システム管理ソフトなどのリポジトリ
機器やソフトウェア、システムなどを管理・操作するためのソフトウェアなどで、管理対象の設定や状態、属性に関するデータを一元的にまとめたファイルやデータベースなどのことをリポジトリということがある。特に、多数の対象を管理者が一元的に把握・管理するためのシステムで、データを統一的に扱うために用いられる仕組みを指すことが多い。
関連用語
他の辞典による解説 (外部サイト)
この記事を参照している文書など (外部サイト)
- 日本バス情報協会「GTFSデータリポジトリ ユーザー会・初任者説明会」発表資料「GTFSデータリポジトリの概要」(PDFファイル)にて引用 (2023年9月)
- 愛媛大学図書館報「図書館だより」第81号「大学からの学術情報発信 ― 機関リポジトリ」(PDFファイル)にて引用 (2006年10月)