ワイルドカード【wild card】
概要
ワイルドカードとは、トランプなどのカードゲームで、万能の効力を持つ、あるいは他の任意のカードの代わりとして使用できる特別なカードのこと。転じて、人や集団、物、事について、不確実な要素、まったく予測不能な要素、鍵を握る重大な要素などのことを比喩的に表す。

ITの分野では、文字列の指定や比較、探索などを行う際に、任意の、あるいは特定のパターンに一致する文字列を表す特殊な記法や記号のことをワイルドカードという。どの記号がどのパターンを意味するかはソフトウェアの種類によって異なる。
例えば、Windowsのコマンドプロンプトでファイル名などを指定する際に、「?」は任意の一文字を、「*」は任意の長さの任意の文字列を表す。これにより、「ta?e」という表記は「take」「tale」「tape」などに一致し、「ta*e」という表記はこれらに加えて「taste」「tackle」などにも一致する。
特殊な記法で文字列のパターンを指定する方式には「正規表現」(regular expression)もあり、プログラミングなどでよく用いられる。任意の文字列に一致する部分を指定できる点はワイルドカードと共通しているが、文字の種類や繰り返しの回数など、より細かい条件を複雑に組み合わせて指定することができる。
競技におけるワイルドカード
スポーツなどの競技会では、本大会や決勝トーナメントなど予選で出場者を決める場合に、本来の選出枠とは別に特別に用意された枠のことをワイルドカードということがある。敗者復活枠や主催者による推薦枠などがこれに当たり、その枠に選出された選手やチームなどを指してワイルドカードと呼ぶ場合もある。
例えば、北米のプロ野球リーグであるメジャーリーグベースボール(MLB)では、総合優勝を決めるポストシーズンには各リーグの各地区の優勝チームに出場権が与えられるが、これとは別に、2位以下のチームの中で各リーグの勝率上位2チーム(計4チーム)に特別な出場枠が用意されており、これをワイルドカードという。
(2023.12.1更新)
「ワイルドカード」の関連用語
他の用語辞典による「ワイルドカード」の解説 (外部サイト)
- ウィキペディア「ワイルドカード」
- CodeZine UNIXコマンド辞典「ワイルドカード」
- TechTerms.com (英語)「Wildcard」
- PC.net Computer Glossary (英語)「Wildcard」
- PC Magazine (英語)「wild card」
資格試験などの「ワイルドカード」の出題履歴
▼ ITパスポート試験
【令1秋 問99】 ワイルドカードに関する次の記述中の a、b に入れる字句の適切な組合せはどれか。 任意の1文字を表す“?”と、長さゼロ以上の任意の文字列を表す“*”を使った文字列の検索について考える。
【平30春 問85】 ワイルドカードを使って“*A*.te??”の表現で文字列を検索するとき、①~④の文字列のうち、検索条件に一致するものだけを全て挙げたものはどれか。
【平23秋 問73】 ワイルドカードの“%”が0個以上の連続した任意の文字列を表し、“_”が任意の1文字を表すとき、文字列全体が“%イ%ン_”に一致するものはどれか。
▼ 基本情報技術者試験
【平30修6 問27】 “BOOKS” 表から書名に “UNIX” を含む行を全て探すために次のSQL文を用いる。aに指定する文字列として,適切なものはどれか。
【平25春 問29】 “BOOKS” 表から書名に “UNIX” を含む行を全て探すために次のSQL文を用いる。aに指定する文字列として,適切なものはどれか。