リリースビルド 【release build】
概要
リリースビルド(release build)とは、ソフトウェア開発でソースコードを実行ファイルにビルドする際、コンパクトで効率的に実行できる形式にすること。プログラムのリリース時に行われ、高速に実行できる小さな実行ファイルを得ることができる。「ビルド」(build)はプログラミングで行われる工程の一つで、開発者がプログラミング言語で記述したソースコードをコンピュータが実行可能な機械語のオブジェクトコードに変換(コンパイル)し、起動用プログラムなどを連結(リンク)して実行可能形式のファイルを生成する操作である。
言語や開発ツールによってはビルドの仕方を「リリースビルド」と「デバッグビルド」から選択できる場合がある。リリースビルドはコンパイラによる最適化により効率的な機械語コードに変換する。実行時に必ずしも必要ない変数名などのソースコードの情報は削除し、実行ファイル内には残さない。
リリースビルドで生成された実行ファイルは効率的でコンパクトであり、実際の利用環境に提供されて実行される。内部の機械語コードとソースコードとの対応関係の多くは失われており、不具合が生じてもソースコード上の対応箇所や変数の値などの詳しい内部状態を調べることは困難である。
一方、デバッグビルドでは変換時の最適化などを行わず、変数名などソースコードの情報を実行プログラムに埋め込んだ状態で実行ファイルを作成する。デバッガなどを用いて実行時の状態を詳しく調べることができ、開発時に不具合を発見して修正するデバッグ作業を効率的に進めることができる。
(2024.7.2更新)