クロスコンパイル 【cross compile】
概要
クロスコンパイル(cross compile)とは、プログラムのソースコードを元に、開発に使用している機種やオペレーティングシステム(OS)とは異なる環境向けに実行可能なコードを生成すること。生成した実行可能形式のプログラムは、開発機でターゲット環境のエミュレータを用いて実行したり、ターゲット環境に転送して実行する。一般的なソフトウェア開発では、プログラミング言語で書かれたソースコードを、コンピュータで実行可能な機械語のプログラムであるオブジェクトコードに変換して実行可能形式のプログラムを生成する。この変換工程を「コンパイル」(compile)という。
パソコン向けのプログラムをパソコンで開発する場合など、開発環境と実行環境が一致している場合は開発環境上で動作するプログラムにコンパイルすれば良いが、開発環境と実行環境が一致しない場合は、実行環境向けのコンパイルを開発環境上で行う。これをクロスコンパイルという。
動作環境となる機種やOSなどがソフトウェア開発に適した機能や性能を備えていない場合や、ハードウェアの開発が完了する前にソフトウェアの開発を開始する場合など、何らかの事情で開発対象ハードウェア上での開発が困難な場合に行われる。
例えば、スマートフォンやタブレット端末向けのアプリケーションソフトをパソコンなどで開発する場合や、家庭用ゲーム機向けのゲームソフトをパソコンなどで開発する場合などがこれにあたる。クロスコンパイルを行うためのコンパイラを「クロスコンパイラ」(cross compiler)という。
(2023.8.22更新)