プリプロセッサ【preprocessor】プリコンパイラ/precompiler
概要

コンパイラはプログラミング言語で記述されたソースコードを解釈してコンピュータが解釈・実行できるネイティブコードなどに変換するが、プリプロセッサはその下準備となるソースコードの追加や変換などの処理を担当する。
プリプロセッサへの指示はプログラム本体と共にソースコード内に記述することが多い。プログラム自体と区別するため、プログラミング言語本体とは別に規定された特殊な記法(プリプロセッサディレクティブ)を用いて記述される。この指示は処理後のコードからは削除され、コンパイラには渡されない。
よく行われる処理として、外部ファイルの内容を読み込んで指定された箇所に追加(インクルード)したり、コード中の特定の文字列を指定されたものに置き換えたり(定数やマクロの展開)、コードの一部分を指定された条件に従って選択(一方を残して他方を削除)するといった操作が挙げられる。
C言語のプリプロセッサ
プリプロセッサの利用が盛んなプログラミング言語としてC言語がよく知られている。「#」で始まる行がプリプロセッサへの指示を表し、「#include <外部ファイル名>」で指定したファイルの読み込みおよび展開、「#define 定数名 値」で定数の定義、「#define マクロ名(引数) 式」でマクロの定義を行える。
初期のC++言語やObjective-Cのように、プリプロセッサによって言語仕様を拡張するというユニークな試みも見られた。これは追加仕様がプリプロセッサ指令の形で定義されており、記述されたソースコードは前処理によってC言語による記述に変換され、Cコンパイラでネイティブコードへ変換されるというものである。
(2025.10.17更新)