読み方 : アイオプス

IOPS【Input/Output Per Second】I/O毎秒

概要

IOPSとはハードディスクSSDなどのストレージ外部記憶装置)の性能指標の一つで、1秒間に実行できる読み込み・書き込み処理の回数。値が大きいほど短時間に多くの処理をこなせる高性能な装置であることを意味する。
IOPSのイメージ画像

単位時間あたりに読み書きできる回数で、1回の読み書き操作にかかる平均時間の逆数である。ハードディスクの場合は、磁気ヘッドを目的の位置へ移動する「シークタイム」と、目的のデータヘッドの下に来るまで待つ「回転待ち時間」、データを実際に読み書きする「転送時間」を合計した時間の逆数となる。半導体メモリを用いるSSDには可動部品が存在しないためアクセス時間が短く、ハードディスクに比べて格段に高いIOPSを示すことが多い。

ストレージ装置へのアクセスは「読み込み」(read/リード)と「書き込み」(write/ライト)に分かれ、連続した領域を扱う「シーケンシャルアクセス」(sequential access)と、離れた領域を不規則に参照する「ランダムアクセス」(random access)で所要時間が異なる。一般にシーケンシャルアクセスの方が高速で、特にハードディスクシークタイム回転待ち時間の影響からランダムアクセス時のIOPSが低下しやすい。これに対しSSDランダムアクセスに強く、ハードディスクの数百倍から数千倍に及ぶIOPSを記録することもある。

実際の測定では、データサイズやアクセス方式を明示することが一般的である。例えば、「4KBランダムライトIOPS」という表記であれば、4キロバイトデータを装置内の不連続な位置へ書き込む動作における1秒間の処理回数を指す。条件を揃えずに数値だけを比較すると、実際の性能差を正しく評価できない。ベンチマークテストなどではシーケンシャル/ランダム、リード/ライトの各組み合わせをそれぞれ試験して個別に結果を示すことが多い。

近年では、NVMe対応SSDの普及により、数十万から数百万IOPSに達する製品も一般的になったが、測定値はキュー深度や同時アクセス数キャッシュの有無、読み書きの比率などの条件によって変動する。製品仕様に記載されたIOPSは特定条件下での理論値として理解すべきとされ、実際に使用時には環境や条件によって仕様通りの性能が発揮できない場合もある。

ストレージ装置の性能は、IOPSに加えて「スループット」(1秒間に転送できるデータ量)や「レイテンシ」(処理が完了するまでの遅延時間)などの指標と合わせて評価される。オペレーティングシステム(OS)の起動やデータベーストランザクション処理のように、微細なデータへのアクセスが大量かつ同時多発的に発生する環境ではIOPSが応答性能を左右する重要な指標となる。一方、動画ファイルのような大容量データを連続して扱う用途では、スループットの方が性能評価の指標として重視される傾向がある。クラウドサービスでは、仮想サーバストレージのプラン選定において、保証または提供されるIOPSの値が性能クラスや料金の基準となることもある。

(2026.6.20更新)
 

他の辞典等による「IOPS」の解説 (外部サイト)

この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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