フルバックアップ 【full backup】 完全バックアップ

概要

フルバックアップ(full backup)とは、コンピュータ内のストレージ(外部記憶装置)のデータを複製して破損や消去に備えるバックアップの手法の一つで、すべてのデータの複製を取ること。最も単純で基本的なバックアップ手法である。

バックアップしたいデータをすべて他のストレージ装置に複製することをこのように呼ぶ。複製先にバックアップ時点のすべてのデータが揃っているため、一回の復元操作で任意の(あるいはすべての)データを元に戻すことができる。

何度も繰り返しバックアップを行う場合でも、毎回すべてのデータの対象に複製操作を行う。前回と大半が重複していてもすべて複製し直すため、複製先の保管容量や、処理にかかる時間、装置への負荷は大きく、コストや効率の面では不利となる。

一方、繰り返しバックアップする際にフルバックアップは低頻度で行い、毎回の定期バックアップでは前回のフルバックアップからの変更点(データの追加や更新)のみを記録する方式を「差分バックアップ」(differential backup)、前回の定期バックアップからの変更点のみを記録する方式を「増分バックアップ」(incremental backup)という。

(2022.10.20更新)

他の辞典による解説 (外部サイト)

試験出題履歴

ITパスポート試験 : 平29秋 問73 平28春 問92 平24春 問81
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。