物理ディスク 【physical disk】
概要
物理ディスク(physical disk)とは、物理的な一台のストレージ装置のこと。元はハードディスクや光学ディスクのことを指していたが、現代ではSSDなどディスク媒体ではないストレージ装置も慣用的に物理ディスクと呼ぶ。ハードディスクやSSDなどのストレージ装置を制御回路やソフトウェアによって論理的・仮想的に分割あるいは統合し、物理的な一台とソフトウェア側から見た論理的な一台が一致しない場合に、物理的な装置のことを物理ディスクと呼ぶ。
例えば、現代のコンピュータやオペレーティングシステム(OS)は一台のストレージ装置の内部を分割してそれぞれ独立した記憶領域として扱う「パーティション」の仕組みに対応しており、あたかも複数のディスクがあるように扱うことができる。このような場合に複数の領域が所属している物理的な一台の装置を物理ディスクという。
逆に、RAIDやJBOD、Windowsのスパンボリュームやストライプボリューム、UNIX系OSのLVMなどの技術を用いると、複数のストレージ装置を束ねて広大な単一の記憶領域として扱うことができる。このような場合に記憶領域に所属する個々の装置のことを物理ディスクという。
また、光学ドライブの仮想ドライブソフト(仮想CD/仮想DVD)や、仮想化ソフトウェアが仮想マシンに割り当てる仮想ディスクのように、一つのファイルやディレクトリを仮想的に一枚のディスクのように扱う技術では、これと対比して実際の物理的なディスク媒体のことを物理ディスクと呼ぶことがある。
(2021.12.28更新)