メモリースティック 【Memory Stick】
概要
メモリースティック(Memory Stick)とは、ソニーが推進していたメモリーカードの規格。フラッシュメモリを記憶媒体とする着脱可能な小型のカード型のストレージ装置で、同社の携帯機器などで用いられた。1997年に最初の製品が発表され、同社のノートパソコンや携帯電話、デジタルカメラ、携帯ゲーム機などで主に採用された。共同開発に参加した富士通をはじめ、アイワやオリンパスなど他社製品にも採用された。当時のメモリーカードリーダーの多くも他の主要なメモリーカード規格ともにメモリースティックに対応していた。
2010年代になると市場はSDメモリーカードの優位が明確となり、ソニー自身もSDカードの製造・販売や機器のSD対応を進めるようになった。乱立していたメモリーカード諸規格はこの時期に撤退が相次ぎ、メモリースティックも2010年代半ば以降は規格の改訂や新製品の投入がほぼ途絶えている。
サイズによる分類
カードの物理的なサイズ(寸法)についていくつかの規格が定められている。初期のフルサイズのカードは幅21.5mm×長さ50mm×厚さ2.8mmだが、2000年に追加された「メモリースティックDuo」は幅20mm×長さ31mm×厚さ1.6mm、2005年の「メモリースティックマイクロ」(M2)は幅12.5mm×長さ15mm×厚さ1.2mmとなっている。
性能による分類
また、最大転送速度や最大記憶容量に応じていくつかの規格に分かれている。初期の規格は最大容量128MB、最高速度20MB/sだったが、2003年の「メモリースティックPRO」では最大容量が32GBに引き上げられ、2006年の「メモリースティックPRO-HG」では転送速度が60MB/sに引き上げられた。
2009年には最大容量を2TBに引き上げた「メモリースティックXC」が、2012年にはXCタイプの転送速度を60MB/sに引き上げた「メモリースティックXC-HG」が登場した。「PRO」を除いてカードサイズはDuoとマイクロのみとなっている。
(2022.6.12更新)