DMIPS 【Dhrystone MIPS】

概要

DMIPS(Dhrystone MIPS)とは、コンピュータの性能指標の一つで、整数演算の性能がVAX-11/780というミニコンの何倍高速かを示すもの。「Dhrystone」(ドライストーン)というベンチマークプログラムの計測値を1757で割って求められる。

Dhrystoneコンピュータの性能をプログラムの実行時間によって計測するベンチマークプログラムの一種で、主にCPUの整数演算の性能を測ることができる。プログラム中のループ処理の1秒あたりの実行回数を計測結果として出力し、これを「Dhrystone」あるいは「Dhrystone数」という。

「VAX-11/780」は1977年に米DEC(Digital Equipment Corporation)社(当時)が発表したミニコンピュータ製品である。同社のVAXシリーズの初代製品で、業務用の中型コンピュータとして広く普及したため、以降のコンピュータ製品の性能指標として「VAX-11/780の何倍高速か」が分かりやすい物差しとして使われるようになった。

DMIPSはコンピュータで計測したDhrystoneを、VAX-11/780の測定値である「1757」で割ったである。整数演算の性能がVAX-11/780の何倍であるかを表しており、100DMIPSであればDhrystoneは175700で、VAX-11/780の100倍高速であることを示している。

なお、「MIPS」(Million Instructions Per Second)はCPUの性能を表す単位の一つで、毎秒100万回の命令を実行できることを表す。VAX-11/780の発売当時、ミニコンで初めて1MIPSを達成したと宣伝されたことから、Dhrystone換算のMIPS値という意味合いでDMIPSと呼ばれるようになった。他に「VAX MIPS」という表現が用いられることもある。DhrystoneMIPS値そのものを計測しているわけではないため、10DMIPSだからといってCPUが10MIPSで動作しているとは限らない。

(2024.8.27更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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