VMware vSAN 【VMware Virtual SAN】
概要
VMware vSAN(VMware Virtual SAN)とは、米ヴイエムウェア(VMware)社のストレージ仮想化(SDS:Software-Defined Storage)製品。汎用的なサーバ上で多数のストレージ装置を束ね、仮想的に単一のデータストアを構成することができる。同社のサーバ仮想化システムであるVMware vSphereの一部として提供されるシステムで、VMware ESXiなどで仮想化されたコンピュータ内にあるハードディスクやSSDなどのストレージをネットワークを通じて束ね、仮想的なストレージエリアネットワーク(SAN:Storage Area Network)を構成することができる。
ネットワーク上の仮想マシン(VM)には必要とする領域が割り当てられ、ホスト内のストレージの利用状況に関わらず柔軟に領域を拡張・縮小することができる。データは複数のホストに分散して記録され、並列処理で高速に読み書きでき、RAIDのように耐障害性を高めることもできる。
3ノードから64ノードまでの規模で運用でき、データの暗号化やスナップショットの取得、iSCSIによる外部からのアクセスなども可能となっている。すべての装置をSSDで構成する場合には、データ圧縮や重複排除、少ない追加容量で障害対策できるイレージャーコーディングなどの機能も利用することができる。
初期の運用方式(OSA:Original Storage Architecture)ではデータの読み書き処理を受け付ける高速な「キャッシュ」と、永続的なデータ保管を行う低速な「キャパシティ」の2層構造で、キャッシュにはSSDを、キャパシティにはSSDあるいはハードディスクを利用できる。vSAN 8で導入された新しい運用方式(ESA:Express Storage Architecture)はオールフラッシュストレージを前提にすべての装置で高速に読み書きと保管を行う単純な1層構造に変更されている。
(2023.1.22更新)