TBW 【Total Bytes Written】 Terabytes Written
概要
TBW(Total Bytes Written)とは、SSDなどのフラッシュメモリ製品の状態を知るための指標の一つで、製造から現在までにメモリ素子に書き込まれたデータ量をテラバイト(1兆バイト)単位で表したもの。また、装置に書き込める上限データ量(総書き込み可能量)を指すこともある。フラッシュメモリ素子には書き換え寿命が存在し、同じ素子への書き換え回数が上限に近づくと劣化が進み、読み書きを受け付けなくなる確率が急上昇する。このため、素子ごとの書き換え回数が均等になるよう制御(ウェアレベリング)したり、装置全体の書き換え回数を計測する仕組みが整えられている。
装置全体の書き換え状況を知るため、製造されてからの累計の書き込みデータ量を測定したものがTBWである。使用開始時には0であり、データの書き込み、追記、書き換えを行う度に増えていく。装置寿命までの間の書き込み量は一般に膨大なサイズになるため、テラバイト単位で表す。
SSDなどのフラッシュメモリ製品ではメーカー側で装置全体に書き込めるTBWの上限値を公表しており、装置側で累計の書き込みデータ量も計測し、常に把握できるようになっている。利用者が装置を使用するに連れTBW値も上昇していき、上限に近づくと製品寿命が近いことが分かるため、新しい装置に交換するといった対策を取ることができる。
カタログ上のTBW
製品カタログなどに記載されるTBWの上限値は、標準化団体のJEDECが策定した標準的な使用環境および使用方法(ワークロード)に則って使用した場合の算定値で、「容量1TB×上限5000回=5000TB」といった具合に容量と書き換え上限回数を掛け合わせた単純な製品寿命よりも少なくなることが多い。
TBWはコンピュータ側から要請された書き込みデータの容量を表しているが、実際にはこれ以外にも装置が内部的に様々な制御のためデータを記録したり書き換えたりする必要があるため、単純な書き換え上限値よりも目減りした値となる。
(2023.12.7更新)