FIT 【Failure In Time】
概要
FIT(Failure In Time)とは、製品の故障率を表す指標および単位の一つで、稼働10億(109)時間あたりの平均故障回数。半導体部品など、大量に生産され故障率が極めて低い工業製品についてよく用いられる。その製品を10億時間(約11万4155年)稼動させた際に発生する故障の平均回数を表す。例えば、「10FIT」の製品は1億時間あたり1回の頻度で故障する。この製品が社会で100万個稼働している場合、稼働1000時間あたり平均10個が故障することになる。
単一の個体を10億時間稼動させて監視することは現実には不可能なため、実際には同一の製品を多数製造して一定期間同時に稼動させ、その間に故障した個体の数からFITを求める。FITの値λを用いて、ある個体をt時間稼働させた際の故障確率は 1-exp(-λ/109×t) で求められる。
MTTF/MTBFとの関係
製品の信頼性を表す指標としては、稼働開始から故障までの平均時間である「MTTF」(Mean Time To Failure:平均故障時間)もよく用いられる。これは修理可能な系では「MTBF」(Mean Time Between Failure)という。FITは(時間単位で表した)MTTFの逆数に10億をかけたものに等しくなる。
(2024.1.31更新)