オンラインバックアップ 【online backup】

概要

オンラインバックアップ(online backup)とは、コンピュータストレージ(外部記憶装置)に保存されたデータを別の装置に複製するバックアップ手法の一つで、「システムを稼働させたまま行うバックアップ」あるいは「オンラインストレージへのバックアップ」のいずれかのこと。

システム稼働状態のまま行うバックアップ

企業の情報システムなどで、コンピュータを稼働状態のままバックアップすることを指してオンラインバックアップと呼ぶことがある。「ホットバックアップ」(hot backup)あるいは「非一貫性バックアップ」(inconsistent backup)とも呼ばれる。

データベースシステムなどで用いられる用語で、バックアップのためにシステムを停止することはせず、通常通り稼働させたままバックアップを実施する。利用者の利便性は高まるが、バックアップ中もデータの追加や更新を拒絶しないため、取得したデータの一貫性は保証されない。

一方、システムを一時停止して追加や更新を受け付けないようにした状態で行うバックアップを「オフラインバックアップ」(offline backup)あるいは「コールドバックアップ」(cold backup)、「一貫性バックアップ」(consistent backup)という。

オンラインストレージへのバックアップ

インターネット上のオンラインストレージサービスを利用して、手元のコンピュータに保存されたファイルなどをバックアップすることを指してオンラインバックアップと呼ぶことがある。クラウドサービスを利用する場合は「クラウドバックアップ」とも呼ばれる。

オンラインストレージは事業者が用意したサーバに規定の容量までデータを送信して保管することができるサービスで、通常の使用法では指定したフォルダの内部をクラウド上の領域と同期し、他のコンピュータや他の利用者とも共有できるようにする。

オンラインバックアップはこのシステムコンピュータストレージバックアップに用いることを指し、ソフトウェアの機能により自動的に特定のファイルフォルダを一定の周期あるいは更新されるごとに複製する。ファイル単位ではなくストレージ領域を端から端まで丸ごと写し取るイメージバックアップに対応したサービスもある。

(2022.10.19更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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