3D NANDフラッシュメモリ 【3次元NANDフラッシュメモリ】
概要
3D NANDフラッシュメモリ(3次元NANDフラッシュメモリ)とは、NAND型フラッシュメモリの設計様式の一つで、半導体基板に対して垂直方向に記憶素子を積み上げるように積載して記憶密度を高めたもの。従来型よりチップ面積あたりの記憶密度が極めて高い。実用化当初のフラッシュメモリは、半導体基板の面に水平方向に記憶素子(メモリセル)を並べた構造で、セルの微細化によって記憶密度を高めてきた。半導体製造プロセスの微細化と共に高密度化が進んだが、2010年代になると微細化のペースが鈍り、物理的な限界が近いとも指摘されるようになった。
一方、3D NANDフラッシュメモリではメモリセルの上に別のセルと配線を積層する手法で密度を高める。当初は24層や32層の製品が実用化されたが、積層技術の発展により2010年代後半には96層や128層の製品も投入されるようになっている。おおむね1チップあたり128ギガビット以上のフラッシュメモリ製品は3D NAND型が主流となっている。
フラッシュメモリの3次元積層技術は2007年に当時の東芝(後の東芝メモリ、現在のキオクシア)が発表し、2014年に韓国のサムスン電子が「3D V-NAND」の名称で初めて製品化した。大容量を求める業務用製品を中心に普及が進んでいる。
(2020.7.22更新)