読み方 : サンブート
SANブート【SAN boot】
概要
SANブートとは、コンピュータ起動時にオペレーティングシステム(OS)を本体内蔵のストレージからではなく、SAN(Storage Area Network)上のストレージ装置から読み込んで起動する方式。ストレージをネットワーク側に集約することで、運用管理や障害対応を効率化できる。

SANとは、サーバとストレージ装置を専用の高速ネットワークで結ぶ構成のことで、Fibre ChannelやiSCSIといったプロトコルを使い、外部のストレージをあたかもサーバ内蔵のストレージのように扱える。
SANブートはこの仕組みを応用し、OSイメージそのものをSAN上のストレージに格納する。サーバ側にはHBA(ホストバスアダプタ)と対応ファームウェアが必要で、起動時にSANへ接続し、割り当てられた領域からOSを読み込む。OSやシステム領域をストレージ側に集中管理できるため、サーバ本体に物理的なディスクを搭載する必要がなくなる。
サーバに障害が発生しても、代替機に同じストレージ領域を割り当てるだけで同一環境を短時間で復元できる。スナップショットや複製といったストレージ装置の機能を活用することで、バックアップや災害対策の管理手順も統一しやすい。また、本体がディスクを持たない構成になるため、機器の小型化や、データが手元に残らないことによるセキュリティ上の利点もある。
一方、SANやネットワーク経路に障害が発生すると、複数のサーバがまとめて起動不能になるリスクがある。通信経路やストレージ装置の二重化など、可用性を確保するための設計が不可欠である。設定には専門知識が必要で、起動順序やアクセス制御を誤ると正常に起動できない場合もある。導入・管理コストも高いため、多数のサーバを集中管理するデータセンターや仮想化基盤、ブレードサーバ環境などで採用されることが多い。
(2026.5.10更新)