ボーレート 【baud rate】

概要

ボーレート(baud rate)とは、通信回線で信号を送受信する際、単位時間に搬送波へ信号を変復調する回数のこと。単位は「ボー」(baud)で、毎秒1回の変調が1ボーに相当する。「Bd」の略号で示されることもある。

解説 回線を流れる搬送波に伝送したい信号を毎秒何回変調するかを表し、この値が大きいほど高速に通信することができる。例えば、300ボーであれば送信側の機器が毎秒300回変調(受信側は復調)を行う。

“baud” の名称はフランスの通信技術者エミール・ボドー(Emile Baudot)の名に由来する。値が大きい場合は他の単位と同じようにSI接頭辞を付けて、1000ボーを1キロボー(kBd:kilobaud)、100万ボーを1メガボー(MBd:megabaud)、10億ボーを1ギガボー(GBd:gigabaud)という具合に呼ぶ。

1回の変調で1ビットの信号を伝送する場合は通信速度の単位である「ビット毎秒」(bpsbit per second)の値に一致するが、多くの変調方式は1回の変調で複数のビットを搬送できるため、ボーレートの値とビット単位の通信速度は一致しない。例えば、一度に4ビットを変調できる方式を300ボーで運用すれば、伝送速度は1200bpsとなる。

通信機器の変復調装置の仕様や性能を表す際によく用いられる概念および単位で、かつてはアナログ電話回線でデジタルデータを伝送するアナログモデムなどで馴染み深い単位だった。現代でもワンボードマイコンや組み込みシステムなどのシリアル通信でよく見られる。

(2025.8.28更新)

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