iSCSI
概要
iSCSIとは、コンピュータ本体とストレージ(外部記憶装置)の通信に用いられるSCSIコマンドを、IPネットワーク経由で送受信する通信規約(プロトコル)。TCP/IPベースのコンピュータネットワークにストレージ装置を直に接続することができるようになる。SCSI接続では元来、専用のインターフェース装置と通信ケーブル、プロトコルを用いて機器間の通信を行うが、iSCSIではTCPパケットにSCSIコマンドや伝送データを搭載して、IPネットワーク上でやり取りする。
これにより、コンピュータ側では通常のネットワークインターフェースに専用のドライバソフトを組み合わせるだけでSCSIベースのストレージ接続を利用することができる。実用上は大きな伝送容量が必要となるため、ギガビットイーサネット(Gigabit Ethernet)や10ギガビットイーサネット(10GbE)などのLANで利用されることが多い。
ストレージ装置側は通常のSCSI装置と同じようにコンピュータに直に接続された記憶装置の扱いとなるため、ブロック単位でのアクセス(Rawデバイス)方式となり、ファイルシステムなどはコンピュータ側で制御する形となる。このため、NASのように装置自体が同一LAN上の複数のコンピュータにファイル共有、ディスク共有を提供することはできない。
(2017.11.25更新)