ホットスタンバイ【hot standby】

概要

ホットスタンバイとは、機器やシステムを冗長化して信頼性を向上させる手法の一つで、複数の系統を常時稼働状態に置き、一つに異常が生じると即座に他の系統に処理を引き継ぐ方式。
ホットスタンバイのイメージ画像

システムを構成する機材が故障などで停止する場合に備え、同じ機材を複数用意しておく手法を「冗長化」あるいは「多重化」(2つの場合は二重化)という。平時に使用する機材を「本番系」「稼動系」「主系」、緊急時に使用する機材を「待機系」「予備系」「副系」「従系」という。

ホットスタンバイでは同じ構成のシステムを複数用意しておき、通常時に稼働している本番系に対して待機系を同期して常に同じ状態で稼働させ続けておく。本番系に障害が発生して停止すると、即座に待機系に切り替わり、実行途上だった処理なども引き継いで続行される。システムの種類にもよるが、切り替えに要する時間は数ミリ秒から数分程度であることが多い。

これに対し、待機系の機器本体やオペレーティングシステム(OS)などは起動状態にしておくが本番系と同期などは取らず、障害時にシステムを起動して切り替えを行う方式を「ウォームスタンバイ」(warm standby)という。

また、待機系の機材などは用意しておくが普段は停止しており、障害時にシステムの起動や設定などから行う方式を「コールドスタンバイ」(cold standby)という。ホットスタンバイはこれらの中で構成や運用が難しく最もコストがかかるが、最も障害時の損害が少なく対障害性の高い方式である。

(2024.1.11更新)

他の用語辞典による「ホットスタンバイ」の解説 (外部サイト)

資格試験などの「ホットスタンバイ」の出題履歴

▼ ITパスポート試験
平27秋 問82】 2系統の装置から成るシステム構成方式 a~c に関して、片方の系に故障が発生したときのサービス停止時間が短い順に左から並べたものはどれか。
平26春 問56】 ホットスタンバイ方式の説明として、適切なものはどれか。

▼ 基本情報技術者試験
平30春 問14】 コンピュータを2台用意しておき,現用系が故障したときは,現用系と同一のオンライン処理プログラムをあらかじめ起動して待機している待機系のコンピュータに速やかに切り替えて,処理を続行するシステムはどれか。
平28秋 問14】 ロードバランサを使用した負荷分散クラスタ構成と比較した場合の,ホットスタンバイ形式によるHA(High Availability)クラスタ構成の特徴はどれか。
平25修12 問15】 ホストコンピュータを2台用意しておき,現用系が故障したときは,現用系と同一のオンライン処理プログラムをあらかじめ起動して待機している待機系のコンピュー夕に速やかに切り替えて,処理を続行するシステムはどれか。
平24修6 問16】 ホストコンピュータを2台用意しておき,現用系が故障したときは,現用系と同一のオンライン処理プログラムをあらかじめ起動して待機している待機系のコンピュー夕に速やかに切り替えて,処理を続行するシステムはどれか。
平22修12 問16】 ホストコンピュータを2台用意しておき,現用系が故障したときは,現用系と同一のオンライン処理プログラムをあらかじめ起動して待機している待機系のコンピュー夕に速やかに切り替えて,処理を続行するシステムはどれか。
平21秋 問15】 ホットスタンバイ方式に関する記述のうち,適切なものはどれか。