ホットスタンバイ 【hot standby】
概要
ホットスタンバイ(hot standby)とは、機器やシステムを冗長化して信頼性を向上させる手法の一つで、複数の系統を常時稼働状態に置き、一つに異常が生じると即座に他の系統に処理を引き継ぐ方式。システムを構成する機材が故障などで停止する場合に備え、同じ機材を複数用意しておく手法を「冗長化」あるいは「多重化」(2つの場合は二重化)という。平時に使用する機材を「本番系」「稼動系」「主系」、緊急時に使用する機材を「待機系」「予備系」「副系」「従系」という。
ホットスタンバイでは同じ構成のシステムを複数用意しておき、通常時に稼働している本番系に対して待機系を同期して常に同じ状態で稼働させ続けておく。本番系に障害が発生して停止すると、即座に待機系に切り替わり、実行途上だった処理なども引き継いで続行される。システムの種類にもよるが、切り替えに要する時間は数ミリ秒から数分程度であることが多い。
これに対し、待機系の機器本体やオペレーティングシステム(OS)などは起動状態にしておくが本番系と同期などは取らず、障害時にシステムを起動して切り替えを行う方式を「ウォームスタンバイ」(warm standby)という。
また、待機系の機材などは用意しておくが普段は停止しており、障害時にシステムの起動や設定などから行う方式を「コールドスタンバイ」(cold standby)という。ホットスタンバイはこれらの中で構成や運用が難しく最もコストがかかるが、最も障害時の損害が少なく対障害性の高い方式である。
(2024.1.11更新)