FLOPS 【FLoating-point Operations Per Second】 フロップス
概要
FLOPS(FLoating-point Operations Per Second)とは、コンピュータの処理速度をあらわす単位の一つで、1秒間に実行できる浮動小数点数演算の回数。科学技術計算や3次元コンピュータグラフィックス(3DCG)描画処理などにおける性能指標として用いられることが多い。浮動小数点数は広い範囲の実数を表現できる数値のデータ形式で、その計算を毎秒何回実行できるかをFLOPSで表す。値が大きい場合は他の単位と同じように接頭辞を付け、1000FLOPSを1kFLOPS(キロフロップス)、100万FLOPSを1MFLOPS(メガフロップス)というように表す。
浮動小数点数は表すことができる数値の範囲の広さによって単精度、倍精度、半精度、4倍精度などの種類があるため、どの精度で計算する場合のFLOPS値であるかを明示する必要がある。「単精度:16GFLOPS、倍精度:4GFLOPS」のように精度ごとの性能を併記する場合もある。
一般に、単体のCPUやGPUは仕様上の計算能力(理論値)がそのまま実際の能力(実効値)となるが、多数のプロセッサを搭載するスーパーコンピュータのようなシステムでは、処理の制御やチップ間の通信などに時間を浪費(オーバーヘッド)するため理論値通りの性能は出ない。ベンチマークソフトを実行して実測値を計測する必要がある。
2020年代の一般的な半導体製品では、CPUが数百GFLOPS(gigaFLOPS:10億FLOPS)、GPUが単精度で数TFLOPS(teraFLOPS:1兆FLOPS)のものが普及している。最先端のスーパーコンピュータは数百PFLOPS(petaFLOPS:1000兆FLOPS)となっており、分散コンピューティングネットワークでは総計算能力1EFLOPS(exaFLOPS:100京FLOPS)を超えるものも現れている。
(2023.4.11更新)