RAID 10 【RAID 1+0】
概要
RAID 10(RAID 1+0)とは、複数のストレージ装置(ハードディスクなど)をまとめて一台の装置として管理するRAID技術の方式の一つで、同じデータを同時に記録(RAID 1)するドライブのセットを複数用意して、それらの間で並列に分散記録(RAID 0)する方式。RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)は複数のストレージ装置を一体的に運用し、広大な単一の記憶領域を作り出したり耐障害性を高める技術で、「RAID 0」から「RAID 6」までの7種類が定義されている。
RAID 10はRAID 0とRAID 1を組み合わせた方式で、2台以上のドライブをまとめたセットを2セット以上用意する。セット内ではミラーリング(RAID 1)を行い、同じデータを複数のドライブに同時に記録する。セット間ではストライピング(RAID 0)を行い、データを均等に割り振って並列に記録する。
速度と耐障害性の両方を同時に高めることができる方式で、最低4台のドライブが必要となる。いずれかのセットですべてのドライブが同時に故障するとデータが復旧できなくなる。ただし、RAID 1の台数に応じて記憶容量の利用効率は低下する。例えば、2台1セットの場合は本来の容量の半分しか記録できない。
これとは逆に、ストライピングとミラーリングの順序を入れ替え、ストライピングされたドライブのセット間でミラーリングを行う方式を「RAID 01」(RAID 0+1)という。RAID 10ではセット内のすべてのドライブが同時に故障しない限りデータは失われないが、RAID 01では全セットのいずれか一台が同時に故障するとデータが失われるため、RAID 10の方が信頼性が高いとされる。
(2023.3.19更新)