コールドストレージ 【cold storage】
概要
コールドストレージ(cold storage)とは、コンピュータのストレージ(外部記憶装置)やそのメディア(記憶媒体)の分類の一つで、あまり使われないが長期間保存する必要があるデータを記録するのに適したもの。典型的には磁気テープ記憶装置が該当する。企業などの情報システムでは様々な種類や目的のデータを保管しており、日常的に高頻度で参照、更新するもの以外にも、普段は滅多にアクセスされないが時々必要になるデータや、法制度や社内規則で一定期間の保存が義務付けられているデータがある。
このようなデータを記録するのに適した特性を持つ、あるいはそれを目的とする装置や媒体をコールドストレージと呼ぶ。読み書きや検索の高速性は求めらないが、媒体一基あたりの記憶容量が大きく、容量あたりの媒体単価が安く、媒体の着脱や収納が容易で、長期間保管しても劣化や損傷が起こりにくいことが求められる。
一般的には媒体容量や容量単価が同時代のホットストレージ装置(ハードディスクなど)に比べ数桁優れている磁気テープ装置を利用することが多いが、近年では業務用の長期保存型光ディスク装置を用いたり、ホットストレージをSSDなどのフラッシュメモリ媒体、コールドストレージを低速大容量型ハードディスクとする構成が選択される場合もある。
また、米アマゾンドットコム(Amazon.com)社の「Amazon S3 Glacier」、米マイクロソフト(Microsoft)社の「Azure Archive Storage」、米グーグル(Google)社の「Cloud Storage Coldline」のように、コールドストレージをクラウドサービスとして提供している事業者もある。
(2021.9.7更新)