TOPS 【teraOPS】 Tera Operations Per Second
従来、コンピュータの計算能力は浮動小数点演算の実行回数である「FLOPS」(FLoating-point Operations Per Second)、および、これに接頭辞を付けた単位(GFLOPS、TFLOPS、PFLOPSなど)を用いて表すことが多かった。これは実数の計算を行う能力であり、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)処理や科学技術計算の性能指標として重要だった。
一方、AI(人工知能)の機械学習(ML:Machine Learning)では整数演算を行うことが多く、AI処理向けに設計されたAIチップ(AIプロセッサ)や、新世代のCPU、GPUなどには整数演算の高速化に特化した回路や命令などが用意されるようになってきた。性能指標としてもFLOPSに代わり、整数演算の能力を反映した指標が求められるようになった。
TOPSは1秒あたりの演算回数を表す「OPS」(Operations Per Second)に1兆倍を意味する接頭辞「T」(Tera:テラ)を組み合わせたもので、1秒あたり何兆回の演算を実行できるかを表す。演算と言っても様々な種類があるが、TOPSが用いられるのは整数演算が重視される場面であるため、「20TOPS(INT8)」(8ビット整数演算の意)といったように注記を付すことが多い。
(2023.5.17更新)