PIOモード 【Programmed I/O】 プログラムI/O / プログラム制御方式 / 直接制御方式
概要
PIOモード(Programmed I/O)とは、コンピュータ本体とハードディスクなどのストレージ(外部記憶装置)を繋ぐ「ATA」(AT Attachment)インターフェースで利用される転送方式の一つで、データ転送をCPUが管理する方式。ATA規格は2000年代初頭までパソコンのストレージ接続方式として標準的に用いられていた規格で、PIOモードは初期のATA規格で規定された通信方式である。周辺機器とメインメモリの間のデータ転送をCPUが制御する仕組みで、基本的にすべてのATA機器はPIOモードによる転送に対応している。
最高転送速度が3.3MB/s(メガバイト毎秒)の「PIO Mode 0」、5.2MB/sの「PIO Mode 1」、8.3MB/sの「PIO Mode 2」、11.1MB/sの「PIO Mode 3」、16.7MB/sの「PIO Mode 4」の5つの動作モードが規定されている。
後にCPUを介さずに装置とメモリの間で直にデータを転送する「DMA」(Direct Memory Access:ダイレクトメモリアクセス)方式が開発され、PIOモードよりもCPUの負荷が少なく高速に転送できるため、ATA規格の終盤にはそちらの方が一般的となった。
DMAを利用する場合でも、通信開始時に機器間で通信方式やモードの調整(ネゴシエート)を行うための通信にPIOモードが利用されるほか、何らかの理由でDMAを利用できない状況に陥った際には自動的にPIOモードに切り替えて動作することがある。
(2024.1.6更新)