kbps 【kilobits per second】 キロビット毎秒

概要

kbps(kilobits per second)とは、データ伝送速度の単位の一つで、1秒間に何千ビット(何キロビット)のデータを送れるかを表したもの。毎秒1000ビット(1キロビット)のデータを伝送できるのが1kbpsである。

「k」(キロ)はSI単位系で1000倍を表す接頭辞で、「bps」(bits per secondビット毎秒)の1000倍を表す単位であるためこのように呼ばれる。kbpsの1000倍を表す単位は「Mbps」(Megabits per secondメガビット毎秒)という。

データ伝送速度の単位としては、1秒間に伝送できるバイト数を意味する「bytes/s」(バイト毎秒)もよく用いられる。1バイトは8ビットなので、1kbpsは125bytes/s(125バイト毎秒)に相当する。

メディアデータの品質

音声や動画などメディアデータでは、1秒分の内容を表現するのに用いたデータ量を「ビットレート」(bit rate)というが、その単位としてkbpsが用いられることがある。例えば、「128kbpsのMP3形式」という場合、音声データをMP3方式で圧縮し、1秒あたり128キロビットのデータで表現している。

記録されている内容が同じでも、この値が大きいほど画質や音質が高い。ただし、その分だけデータ量も増大する。また、記憶装置から読み込んで再生したり、ネットワークを通じてストリーミング再生する場合は、データ伝送速度がこの値より大きくなければ実時間で再生できない。

kibps (キビビット毎秒)

ITの分野では10のべき乗より2のべき乗のほうが扱いやすいことがあるため、「k」と小文字で書いた場合は1000bpsを表し、「K」と大文字で書いた場合は1024bpsを表すと使い分けている場合もあるが、あまり一般的な用法ではなく、大抵の場合はいずれも1000bpsの意味である。

また、IEC(国際電気標準会議)では接頭辞「k」は度量衡など他の単位と同じように1000倍のみを表し、1024倍を表す場合は「ki」(kibi-:キビ)という専用の接頭辞を用いて「kibps」(kibibits per second:キビビット毎秒)という単位を使うよう勧告している。

(2023.2.5更新)

IT関連の主な単位

SI単位系の接頭辞

略号接頭辞読み倍率 略号接頭辞読み倍率
Yyotta-ヨッタ1024 yyocto-ヨクト10-24
Zzetta-ゼッタ1021 zzepto-ゼプト10-21
Eexa-エクサ1018 aato-アト10-18
Ppeta-ペタ1015 ffemto-フェムト10-15
Ttera-テラ1012 ppico-ピコ10-12
Ggiga-ギガ109 nnano-ナノ10-9
Mmega-メガ106 µmicro-マイクロ10-6
k*kilo-キロ103 mmilli-ミリ10-3
hhecto-ヘクト102 ccenti-センチ10-2
dadeca-デカ101 ddeci-デシ10-1
* 小文字のkを103倍、大文字のKを210倍として使い分ける場合がある

▼ IECの定めた2進専用接頭辞

略号接頭辞意味読み倍率ビットバイト
Yiyobi-yotta-binaryヨビ 280Yib/Yibits:ヨビビット YiB/YiBytes:ヨビバイト
Zizebi-zetta-binaryゼビ、ジービ 270Zib/Zibits:ゼビビット ZiB/ZiBytes:ゼビバイト
Eiexbi-exa-binary エクスビ、イクスビ260Eib/Eibits:エクスビビットEiB/EiBytes:エクスビバイト
Pipebi-peta-binary ペビ、ピービ 250Pib/Pibits:ペビビット PiB/PiBytes:ペビバイト
Titebi-tera-binary テビ、ティービ 240Tib/Tibits:テビビット TiB/TiBytes:テビバイト
Gigibi-giga-binary ギビ 230Gib/Gibits:ギビビット GiB/GiBytes:ギビバイト
Mimebi-mega-binary メビ、ミービ 220Mib/Mibits:メビビット MiB/MiBytes:メビバイト
Kikibi-kilo-binary キビ 210Kib/Kibits:キビビット KiB/KiBytes:キビバイト
* 従来の接頭辞が10の累乗倍としても2の累乗倍としても使われ混乱しているため、2の累乗倍に限ってこの接頭辞を使うよう提唱している。