UHS-III 【Ultra-High Speed III】

概要

UHS-III(Ultra-High Speed III)とは、SDメモリーカードの高速なデータ伝送規格の一つ。2017年にSDカード仕様バージョン6.0の一部として定義されたもので、最高で624MB/s(メガバイト毎秒)での転送に対応する。SDHC/SDXC/SDUCに対応製品があり、製品のSDカードロゴの脇に「III」の記載がある。

UHS-IIの後継規格で、接続端子はUHS-IIと同様、初期の規格よりもピンが一列多いものを使用する。一列目のピンは従来品と同等で、カードもリーダーもUHS-III対応の場合はUHS-IIIで通信し、片方が非対応の場合は旧規格で通信する後方互換性を備える。

UHS-IIでは最高伝送速度の312MB/sを利用するには読み書きいずれかのみを半二重half duplexモード通信する必要があったが、UHS-IIIでは同時に双方向に通信可能な全二重full duplexモードのみとなり、312MB/sあるいは624MB/sでの伝送が可能となっている。

さらに高速な伝送規格としてSDカード仕様7.0で「SD Express」が策定され、初期の規格で985MB/s、追加の伝送仕様で3940MB/sまで対応しているが、2列目のピン配列UHS-II/UHS-IIIとは異なっており、直接の互換性は失われている(SD ExpressとUHS-I以前は一列目のピンで互換性がある)。

(2022.8.8更新)
この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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