CFast
概要
CFastとは、メモリーカードの規格であるコンパクトフラッシュ(CF:CompactFlash)の拡張仕様の一つで、従来規格のパラレル伝送方式に代えてシリアル伝送方式を採用したもの。データ伝送速度が向上している。関連メーカーによる業界団体のCFA(CompactFlash Association)が標準化した仕様で、パソコンなどの通信インターフェースがパラレル方式のATA(PATA:パラレルATA)からシリアル方式のSATA(シリアルATA)に移行したことを踏まえ、2008年に規格に追加された。
カード自体のサイズや形状は従来のCF規格と同じだが、接続端子はSATAの7ピンコネクタに変更され、横に給電用の17ピンコネクタが並んでいる。従来のCFとの互換性は失われており、CF用スロットにCFastを、あるいはCFast用スロットにCFを差し込むことはできない。
当初のCFast 1.0規格ではSATA2を用いて最高300MB/s(メガバイト毎秒)での通信可能で、CFast 2.0ではSATA3を用いて最高600MB/sでの通信が可能となっている。ただし、これらは規格上の最高速度であり、カードやスロットが実際に対応する伝送速度は製品ごとに異なっている(カタログやパッケージなどに記載される)。
コンパクトフラッシュから派生した高速なメモリーカードの規格としては同時期に「XQDメモリーカード」も登場しており、メーカーによって対応が分かれたが、2016年に新たにPCI Expressベースの「CFexpress」が現れ、両規格からの移行が進みつつある。
(2022.4.11更新)