通信速度 【communication speed】 回線速度 / line speed / 伝送速度 / transmission speed / 転送速度

概要

通信速度(communication speed)とは、通信回線が単位時間あたりに送受信できるデータ量。通信速度が高いほど短時間に大量のデータを送ることができ、快適に通信を行うことができる。

主に1秒間に伝送できるビット数である「ビット毎秒」(bps:bits per second)、1秒間に伝送できるバイト数である「バイト毎秒」(B/s:Bytes per second)の二種類が用いられる。ビット毎秒はコンピュータ間の通信に、バイト毎秒はコンピュータ内部の通信に用いられることが多い。

現在では1バイトは8ビットであるため、1バイト毎秒は8ビット毎秒に相当する。1バイトのビット数がシステムごとに様々だった時代の名残りで、正式な規格書などでは誤解の余地が無いようにバイト毎秒の代わりに「オクテット毎秒」(octet per second)を用いる場合もある。

現代のコンピュータや通信回線は高速にデータを伝送できるため、ビット毎秒やバイト毎秒をそのまま使うと値が大きくなりすぎる。このため、重さや長さなどと同じようにSI単位系の接頭辞(1000倍を表す「キロ」など)を先頭につけて大きな単位を構成する。

それぞれの1000倍を「キロビット毎秒」(kbps)「キロバイト毎秒」(kB/s)、100万倍を「メガビット毎秒」(Mbps)「メガバイト毎秒」(MB/s)、10億倍を「ギガビット毎秒」(Gbps)「ギガバイト毎秒」(GB/s)、1兆倍を「テラビット毎秒」(Tbps)「テラバイト毎秒」(TB/s)という。

通信の実効速度や体感速度は通信速度に最も大きく影響を受けるが、送信側が伝送を開始してから(あるいは、受信側が送信要求を送ってから)受信側に最初のデータが到着するまでの待ち時間(レイテンシ/遅延時間)にも影響され、大陸間や衛星を介した通信など極めて遠距離間の通信では特に大きく影響する。

(2020.4.11更新)

IT関連の主な単位

SI単位系の接頭辞

略号接頭辞読み倍率 略号接頭辞読み倍率
Yyotta-ヨッタ1024 yyocto-ヨクト10-24
Zzetta-ゼッタ1021 zzepto-ゼプト10-21
Eexa-エクサ1018 aato-アト10-18
Ppeta-ペタ1015 ffemto-フェムト10-15
Ttera-テラ1012 ppico-ピコ10-12
Ggiga-ギガ109 nnano-ナノ10-9
Mmega-メガ106 µmicro-マイクロ10-6
k*kilo-キロ103 mmilli-ミリ10-3
hhecto-ヘクト102 ccenti-センチ10-2
dadeca-デカ101 ddeci-デシ10-1
* 小文字のkを103倍、大文字のKを210倍として使い分ける場合がある

▼ IECの定めた2進専用接頭辞

略号接頭辞意味読み倍率ビットバイト
Yiyobi-yotta-binaryヨビ 280Yib/Yibits:ヨビビット YiB/YiBytes:ヨビバイト
Zizebi-zetta-binaryゼビ、ジービ 270Zib/Zibits:ゼビビット ZiB/ZiBytes:ゼビバイト
Eiexbi-exa-binary エクスビ、イクスビ260Eib/Eibits:エクスビビットEiB/EiBytes:エクスビバイト
Pipebi-peta-binary ペビ、ピービ 250Pib/Pibits:ペビビット PiB/PiBytes:ペビバイト
Titebi-tera-binary テビ、ティービ 240Tib/Tibits:テビビット TiB/TiBytes:テビバイト
Gigibi-giga-binary ギビ 230Gib/Gibits:ギビビット GiB/GiBytes:ギビバイト
Mimebi-mega-binary メビ、ミービ 220Mib/Mibits:メビビット MiB/MiBytes:メビバイト
Kikibi-kilo-binary キビ 210Kib/Kibits:キビビット KiB/KiBytes:キビバイト
* 従来の接頭辞が10の累乗倍としても2の累乗倍としても使われ混乱しているため、2の累乗倍に限ってこの接頭辞を使うよう提唱している。