オーバーライト【overwrite】上書き
記憶領域のオーバーライト
コンピュータでファイルを編集して保存する場面では、既存の同名ファイルに新しい内容を書き込み、元の内容を破棄する操作をオーバーライトという。一般的なアプリケーションでメニューの「保存」を実行する動作がこれに該当する。ストレージ管理の文脈では、既にデータが記録されている領域に新たなデータを直接書き込む動作をオーバーライトという。この操作によって以前のデータは原則として参照できなくなる。
セキュリティの観点では、データを完全に抹消する手段としてストレージ領域のオーバーライトが利用される。削除操作だけでは記憶領域上にデータの痕跡が残ることがあるため、乱数や固定値を同一領域に反復して書き込む「上書き消去」と呼ばれる処理が用いられる。この手法はハードディスクなどで有効とされるが、SSDではウェアレベリングなどの内部制御により、指定した領域への書き込みが保証されないケースもある。
テキスト編集のオーバーライトモード
テキスト編集では、カーソル位置の文字を一文字ずつ新しい文字で置き換えながら入力する動作モードを「オーバーライトモード」(上書きモード)という。一文字入力するごとに元の文字が置き換わり、カーソルが一桁右に移動する。カーソル位置に文字を割り込ませて後続の文字列を右にずらす「インサートモード」(挿入モード)とは、キーボードのInsertキーで交互に切り替えられる。
オーバーライド
なお、混同されやすい語に「オーバーライド」(override)がある。オーバーライドは既存の設定や動作を別の定義で置き換える操作を表す。特に、オブジェクト指向プログラミングにおいて、親クラスで定義されたメソッドを子クラスで再定義する仕組みを表すことが多い。記録内容の上書きを意味するオーバーライトとは異なる概念である。
(2026.6.25更新)
