ディスクドライブ【disk drive】

概要

ディスクドライブ（disk drive）とは、外部記憶装置(ストレージ)の一種で、内部の軸に固定したディスクを高速で回転させ、表面にヘッドを近接させて信号の読み書きを行う装置。ハードディスクドライブやDVDドライブなどの総称。

データの記憶媒体（メディア）としてプラスチックやガラス、金属などでできた薄い円盤状の器具（ディスク）を用いる記憶装置で、ディスク表面への信号の読み書きを行う装置のことをドライブという。

アクセスアーム先端の磁気ヘッドでディスク表面の磁気的な性質を変化させて信号を記録する磁気ディスクドライブと、レーザー光で光学的な性質の変化を読み取る光学ディスクドライブがある。前者はハードディスクドライブやフロッピーディスクドライブが、後者にはCDドライブやDVDドライブ、Blu-ray Discドライブが該当する。

信号はディスク表面に円を描くように同心円状あるいは渦巻状の線に沿って記録される。同じ回転数（角速度）で比較すると、中心側から外側へ行くほどヘッドが円周をなぞるスピード（線速度）が遅くなるため、角速度と線速度のどちらを一定に保つかによって複数の制御方式が使い分けられる。

ディスクドライブの回転軸の制御方式の一つで、回転数を一定に保つ方式を「CAV」（Constant Angular Velocity）という。

これらのデータは信号を読み出す速度が一定である必要はなく、また音楽CDなどと違って不連続にいろいろな場所のデータを読む（ランダムアクセス）ことが多いため、回転数が一定のほうが都合が良い。

ディスクドライブの回転軸の制御方式の一つで、ヘッドの位置によってディスクの回転数を変化させ、ヘッドがディスクをなぞる速度を一定に保つ方式を「CLV」（Constant Linear Velocity）という。

常に同じ速度でデータを読み出すことができ、音声や映像の再生などに適している。外側ほど低い回転数で、内側ほど高い回転数でCDを回転させ、ヘッドが記録面をなぞる速度（線速度）を一定に保っている。CDやDVD、Blu-ray Discのプレーヤー、ミニディスク（MD）などで用いられる。

ディスクドライブの回転軸の制御方式の一つで、ディスクの内周をCAV（角速度一定）方式で、外周をCLV（線速度一定）方式でアクセスする方式を「PCAV」（Partial Constant Angular Velocity）という。

高速なCD-RドライブやDVD-Rドライブで使われる方式で、内周部分での読み書きの速度は外周部分に比べれて遅くなってしまうが、内周部分のパフォーマンスを低下させることにより回転数を抑え、高速書き込み時の安定性を増している。

また、記録速度もしくは回転数がどの場所を取っても滑らかに変化するために、書き込み速度が変化した際の書き継ぎによるギャップも発生しないというメリットがある。

ディスクドライブの回転軸の制御方式の一つで、ディスクを内周からいくつかの領域（ゾーン）に分け、同じゾーン内では一定の角速度で回転（CAV）させる方式を「ZBR」（Zone Bit Recording）あるいは「ZCAV」（Zoned CAV）という。

内周から外周に向けて段階的にセクタ数を増やし、記録密度をなるべく一定に保つことでCLVに近い高密度で記録できる。一方、ゾーン内ではCAVとしてアクセスするため、高速に読み書きすることができる。一部のハードディスクで採用されている。

ディスクドライブの回転軸の制御方式の一つで、ディスクを内周からいくつかの領域（ゾーン）に分け、同じゾーン内では線速度を一定（CLV）に保つ方式。

CLVでは内周の線速度に合わせるため最外周付近でゆっくり回転させねばならない弱点があったが、ZCLVではゾーン内で一定のアクセス速度となるよう制御するため、外周部で高速にアクセスできるという利点がある。DVD-RAMなどで採用されている。

(2021.7.2更新)

この記事の著者： (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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