NOR型フラッシュメモリ

概要

NOR型フラッシュメモリとは、フラッシュメモリの構造・動作原理の一種で、最初に発明された方式。1980年に東芝の舛岡富士雄氏が発明したもので、NAND型フラッシュメモリ開発されるまではすべでこの方式だった。

NAND型に比べ読み出しが高速で、特にランダムアクセス(規則性なく不連続な位置を読み書きする)で優れた性能を示す。書き込み時の消去や再書き込みのブロックサイズも小さいため、同じような書き換え頻度であればNAND型より素子の書き換え回数が寿命に達しにくく長持ちである。

また、大きなブロック単位で読み込むNAND型とは異なり特定のアドレスデータのみを指定して読み出すことができ、プログラムを記録した場合メインメモリRAM)に一旦書き出さなくてもCPUから直に読み込んで実行できるという特徴がある。

一方、高集積化には向いておらず、同じ世代で比較するとNAND型より容量や単位容量あたりのコストでは劣る。書き込み速度も遅く、消費電力も大きい。以前は記録内容の破壊や喪失が起こりにくい信頼性の高さも特徴に挙げられたが、素子の微細化が進むに連れてこの点についての優位性は薄れつつある。

汎用的なデータ記録用途ではNAND型との競争に破れたが、電子機器や機械に組み込まれたコンピュータシステム組み込み機器)向けに制御プログラムを記録・実行するための記憶装置(コードストレージ)として使われており、車載システム携帯情報端末などでよく用いられる。

(2018.9.3更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
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