電子媒体 【electronic media】 電子記録媒体 / 電磁的記録媒体
概要
電子媒体(electronic media)とは、情報を物理的に記録する媒体(メディア)のうち、電磁的な作用により記録や読み出しを行うもの。紙面に情報を記入、印刷した「紙媒体」の対義語としてよく用いられる。情報を表す信号やデータを何らかの電磁的な物理状態に置き換えて記録する器具を指す。紙媒体のように人が直に内容を知覚したり記録することはできず、媒体の種類ごとに読み書きするための電子機器が必要となる。
微細な磁性体の磁化状態を用いて信号を記録するものを「磁気記録媒体」(磁気メディア)という。薄いプラスチックフィルムをリールに巻き取った「磁気テープ」、円盤(ディスク)状の媒体を用いる「フロッピーディスク」や「ハードディスク」などが該当する。
薄いプラスチックディスク表面の光の反射率を変化させて信号を記録するものを「光学記録媒体」(光学メディア)という。CDやDVD、Blu-ray Discなどが該当する。近年ではフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを利用する半導体メモリ型の媒体も急激に普及している。「SSD」や「USBメモリ」「メモリーカード」などが該当する。
コンピュータがストレージ(外部記憶装置)として利用する媒体はすべて情報をデジタルデータとして記録するが、音声を記録するカセットテープや映像を記録するレーザーディスクのように、情報の種類によってはアナログ方式で信号を記録するものもある。
媒体の種類によって、媒体を記録装置から取り外して交換したり持ち運べるもの(リムーバブル型)と、装置内に固定されて入れ替えられない固定型のものがある。磁気テープやフロッピーディスク、光学ディスク、メモリーカードなどは前者、ハードディスクやSSD、USBメモリなどは後者となる。USBメモリは装置自体が十分小さく機器への着脱が容易なため可搬型に分類される場合もある。
(2022.3.27更新)