SDHCメモリーカード 【SD High Capacity】

概要

SDHCメモリーカード(SD High Capacity)とは、2006年に策定されたSDメモリーカードの拡張仕様の一つで、最大32GBまでの容量に対応したもの。「SDカード」の名称がすでに浸透していたため、仕様を区別する文脈以外ではSDHCカードのことも単にSDカードと呼ぶことが多い。

当初のSDメモリーカード規格ではファイルシステムにFAT16を用い2GB(ギガバイト)までの容量の上限があったが、SDHCではFAT32に対応し、最大32GBまでのカードを使用することができる。SDHCはSDの上位互換となっており、SDHCカードは古い機器(SDカードリーダーなど)ではSDカードとして動作し、また、SDHC対応機器で古いSDカードを読み書きすることもできる。

機器やカードの転送速度の最低保証値を「SDスピードクラス」として規格化し、「Class 2」対応機器は2MB/s(メガバイト毎秒)以上を、「Class 4」は4MB/s以上を、「Class 6」は6MB/s以上を、「Class 10」は10MB/s以上の速度を保証する。

SDHCメモリーカードのイメージ画像
SDHCは2006年の規格化後、すぐに初期のSDメモリーカードに代わって急激に普及したが、フラッシュメモリの微細化は予想以上に速く進み、2008年頃には容量上限の32GBの製品が出回るようになった。このため最大容量を2TB(テラバイト)に大幅に拡張した後継規格のSDXCメモリーカードが2009年に策定され、SDHCは短命に終わった。

microSDHCメモリーカード (マイクロSDHCメモリーカード)

SDHCメモリーカードの派生仕様の一つで、最も小さなサイズのカード形状を定めたものをmicroSDHCカードという。2007年に規格に追加された。SDHC同様、実際にはmicroSDHCでも単にmicroSDと呼ばれることが多い。

形状はmicroSDカードと同じ幅11mm×長さ15mm×厚さ1mmで、端子形状なども同一であり古いカードに対して後方互換性がある。その他の仕様はSDHCメモリーカードに準じ、形状を適合させ端子を通電させるだけの簡単なアダプタによってSDHCカードとして用いることができる。

(2018.9.3更新)

SDカードの種類

世代 \ 形状フルサイズminiSDmicroSD最大容量ファイル
システム
発表
SDSDminiSDmicroSD2GBFAT161999年
SDHCSDHCminiSDHCmicroSDHC32GBFAT322006年
SDXCSDXC-microSDXC2TBexFAT2009年
SDUCSDUC-microSDUC128TBexFAT2018年
幅×長さ
厚さ
(mm)
24×32
2.1
SDカード
20×21.5
1.4
miniSDカード
11×15
1.0
microSDカード
面積 (mm2)768430165
体積 (mm3)1613602165
重さ約2g約1g約0.5g
端子9ピン11ピン8ピン
(画像は © Digipot.net による)

SDカードの転送速度・性能表記

クラスと保証速度
SDスピードクラス
Class 22MB/s
Class 44MB/s
Class 66MB/s
Class 1010MB/s
UHSスピードクラス
Class 110MB/s
Class 330MB/s
「x倍速」表記
表記転送速度
(1倍速)150KB/s
60倍速9MB/s
80倍速12MB/s
120倍速18MB/s
133倍速20MB/s
150倍速22.5MB/s
200倍速30MB/s
400倍速60MB/s
600倍速90MB/s
バス(通信路)の転送モード
転送モード最高速度
Normal Speed (NS)12.5MB/s
High Speed (HS)25MB/s
Ultra High Speed (UHS)
UHS-ISDR1212.5MB/s
SDR2525MB/s
SDR50/DDR5050MB/s
SDR104104MB/s
UHS-IIUHS156/FD156156MB/s
HD312 *312MB/s
* 半二重通信