インターフェース 【interface】 I/F

概要

インターフェース(interface)とは、接点、境界面、接触面、接合面、仲立ち、橋渡しなどの意味を持つ英単語。IT分野では、二つの主体が接続・接触する箇所や、両者の間で情報や信号などをやりとりするための形式や手順などを定めた決まりごとを意味する。

例えば、パソコン周辺機器コネクタ(端子)およびケーブルによって接続されるが、端子の形状や電気信号の形式が製品ごとにバラバラでは互いに接続することができない。そこで、「USB」などの標準規格を定めてこれに沿って設計することで、製品の種類やメーカーによらず相互に接続できるようになる。このような複数の対象を繋ぐ接点のことをインターフェースという。

機器(ハードウェア)やソフトウェア、人間(利用者)などが互いに繋がりを持ち情報を伝達する接点のことをインターフェースという。機器間、ソフトウェア間、機器-ソフトウェア間、人間-機器間、人間-ソフトウェア間など様々な類型がある。

機器や装置、回路などの物理的な接続部を「ハードウェアインターフェース」、コンピュータプログラム間の連携仕様を「ソフトウェアインターフェース」、システム利用者の間で情報をやり取りする仕組みを「ユーザーインターフェース」(主にソフトウェアの場合)あるいは「マンマシンインターフェース」(主に機械の場合)という。

人工物間のインターフェースは、接点の仕様や情報の表現形式、信号の伝送手順などがばらばらでは繋げることができないため、双方が共通の仕様に基づいて設計されていることが重要となる。各分野で様々なインターフェース規格が策定・公開されている。

ハードウェアインターフェース

ハードウェアインターフェースとは、複数の機器や装置、回路などを接続して通信する際の仕様で、コネクタ(端子)の寸法や形状、ケーブルや信号線の数や特性、信号の表現形式や伝送手順などで構成される。無線接続の場合は電波周波数や信号の形式などが含まれる。

機器内部の部品間の信号伝送、機器本体と周辺装置データ伝送、機器間のデータ通信など、目的や用途に合わせて様々なインターフェースが存在する。例として「USB」「SATA」「IEEE 1394」「PCI Express」「HDMI」などの規格、およびこれらの標準コネクタ、ケーブル類などが挙げられる。

また、接続先がコンピュータネットワークLAN)の場合は特に「ネットワークインターフェース」と呼ばれることもあり、「イーサネット」(Ethernet)や「Wi-Fi」(無線LAN)などの通信規格、およびコネクタや差込口(ポート)、拡張カード通信チップなどを指す。

ソフトウェアインターフェース

ソフトウェアインターフェースは、プログラム間でデータや処理依頼などをやり取りする手順や形式を定めた仕様である。代表的なものとして、オペレーティングシステムOS)やミドルウェアライブラリなどの機能を外部から呼び出して利用するため規約である「API」(Application Programming Interface)がある。

他にも、アプリケーションシステムOS)を繋ぐ「ABI」(Application Binary Interface)や、実行中のプログラム間で通信するための「プロセス間通信」の仕様なども含まれる。さらに広義には、ネットワークを介してソフトウェア間で連携するためのプロトコル通信規約)やデータ形式、複数のソフトウェアで共通して利用される汎用的なファイル形式などを含む場合がある。

ユーザーインターフェース

インターフェースのイメージ画像

ユーザーインターフェースUIUser Interface)は、コンピュータなどの機器が利用者に対して情報を伝達する方式や、逆に、利用者情報入力するための仕組みを指す。

古くから使われている方式として、コンピュータが画面(古くはプリンタ)に文字で情報を提示し、利用者キーボードなどから文字で指示を入力する「CUI」(Character User Interface/キャラクタユーザーインターフェース)あるいは「CLI」(Command Line Interface/コマンドラインインターフェース)がある。現在でも業務システムや技術者向けのシステムなどで広く利用されている。

一方、画面に図形や画像を多用した表示をい、マウス操作やタッチ操作などで画面上の位置を指示する操作方法を基本とする方式を「GUI」(GUIGraphical User Interface/グラフィカルユーザインターフェース)という。パソコンスマートフォンなど一般消費者向けのコンピュータ製品で広く普及している。

ユーザーインターフェース」は主にコンピュータソフトウェア利用者ユーザー)の間の情報のやり取りに着目した用語だが、より広義に、機械と人間のやり取り、およびその接点となる装置や仕組みなどを表す用語として「マンマシンインターフェース」(HMIHuman Machine Interface)がある。自動車におけるハンドルやペダル、レバー、ボタン類などが該当する。

(2024.6.1更新)

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この記事の著者 : (株)インセプト IT用語辞典 e-Words 編集部
1997年8月より「IT用語辞典 e-Words」を執筆・編集しています。累計公開記事数は1万ページ以上、累計サイト訪問者数は1億人以上です。学術論文や官公庁の資料などへも多数の記事が引用・参照されています。
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