ヒット率 【hit ratio】 キャッシュヒット率 / cache hit ratio
概要
ヒット率(hit ratio)とは、CPU内部のキャッシュメモリに目当てのデータが存在する確率あるいは割合。この値が高いほどデータの読み出しを高速に実行できる。CPU以外のキャッシュ技術(ストレージやネットワークなど)でも同様の概念をこのように呼ぶ。キャッシュメモリは直近にメインメモリから読み出したデータを一時的に保管しておく高速な記憶装置で、そのデータが再度必要になった際にはメモリより遥かに高速に読み出すことができるが、容量が少ないためすべてのデータを取っておけるわけではない。
CPUがデータを読み出す際にキャッシュメモリ上にそのデータが存在する確率をヒット率と呼び、キャッシュの容量やキャッシュに残すデータの選び方(アルゴリズム)などに影響を受ける。
NFP (Not Found Probability)
CPUが過去に読み出したことのあるメモリ領域のデータを読み出す際、当該データがキャッシュメモリに残っていない確率をNFP(Not Found Probability)という。ヒット率とNFPの和は1となる。
NFPはヒット率とは逆にキャッシュメモリからデータを読み出すことができず、メインメモリに読みに行くことになる割合を表す。この値が高いほどデータの読み出し性能は低下する。
CPUによるデータ読み込みの平均アクセス時間は「キャッシュメモリのアクセス時間×ヒット率+メインメモリのアクセス時間×NFP」で求めることができる。
(2020.2.19更新)