WWN 【World Wide Name】 WWID / World Wide IDentifier / ワールドワイドネーム / ワールドワイドID
概要
WWN(World Wide Name)とは、Fibre ChannelやSAS(Serial Attached SCSI)、iSCSIなどで一台一台の機器に割り当てれる固有の識別番号。機器をつないでSAN(ストレージエリアネットワーク)などを構築する際に機器を識別するのに用いられる。WWNは全体で64ビット(8バイト)の値となっている。先頭の4ビットはNAA(Network Address Authority)と呼ばれ、アドレス割り当て機関やアドレス形式の識別に用いられる。NAAの値によって残りの部分の形式は異なる。
オリジナルの形式(NAAが1または2)では、NAAが1の場合は続く12ビットは0で固定される(先頭2バイトは10:00固定)が、NAAが2の場合は続く12ビットが事業者固有の情報として使用することができる(先頭2バイトが2x:xxでx部分がベンダー指定)。
いずれの場合も続く3バイトがIEEEに登録された製造業者の識別番号(OUI:Organizationally Unique Identifier)、最後の3バイトが製造業者が機器に割り当てる固有の識別番号(VSID:Vendor Specified Identifier)となる。OUI+VSIDの部分はいわゆるMACアドレス(EUI-48)に等しい。
NAAが5または6の場合は「IEEE Registered」形式と呼ばれ、NAAに続く3バイトがOUIとなり、残りはすべて事業者が独自に定義する識別番号(VSID)となる。NAA5では全体が8バイトだが、NAA6では全体が16バイトに拡張されている。
EUI-64形式
MACアドレスを拡張したEUI-64形式を用いる方式も定められており、「Mapped EUI-64」形式と呼ばれる。EUI-64自体が64ビットでWWNと同じ長さであるため、NAA4ビットに単純に連結すると68ビットになってしまう。
このため、NAAを2進数で「11xx」(12~15)とし、後半2ビットを削減(見かけ上は「11」、十進数で3となる)し、残り2ビットはOUIの中から「Unicast/Multicast」ビットと「Universal/Local」ビットを削除することで捻出する(これらのビットは0とみなされる)。